遺言書の作成方法と選び方(自筆証書遺言・公正証書遺言の違い)

 カテゴリ:遺言書作成
監修:竹田司法書士・社労士事務所

将来の相続トラブルを防ぐ有効な手段のひとつが、遺言書の作成です。遺言書があれば、遺産の分け方を自分の意思で決めておくことができ、相続人同士の話し合いがまとまらないという事態を避けやすくなります。遺言書には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」という2つの方式があり、それぞれ作成方法・費用・注意点が異なります。本記事では、両者の違いと、作成にあたって知っておきたいポイントを解説します。

自筆証書遺言とは

自筆証書遺言は、遺言者が自分で全文・日付・氏名を手書きし、押印して作成する遺言書です(民法第968条)。手軽に作成できる一方、財産目録を添付する場合を除き、全文を自分で書く必要があります。財産目録については、2019年の法改正によりパソコンでの作成や、預金通帳のコピー・不動産の登記事項証明書の添付なども認められるようになりましたが、その場合は目録の各ページに署名・押印が必要です。日付や氏名の記載漏れ、押印忘れなど、方式に不備があると遺言そのものが無効になることがあるため、作成時は注意が必要です。

自筆証書遺言の検認手続きと保管制度

自宅で保管した自筆証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所での検認手続きが必要です(民法第1004条)。検認とは、相続人の立会いのもとで遺言書の内容を確認し、偽造・変造を防ぐための手続きで、遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。相続人が家庭裁判所を通さずに勝手に開封してしまうと、5万円以下の過料の対象となる可能性があります(民法第1005条)。この点は独立した注意点として押さえておく必要があります。なお、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用すれば、この検認は不要になります。保管の申請手数料は財産の金額にかかわらず一律3,900円で、遺言書の原本は遺言者死亡後50年間、画像データは150年間保管されます(法務省:自筆証書遺言書保管制度とは)。

公正証書遺言とは

公正証書遺言は、公証役場で公証人が遺言者から内容を聴き取り、作成する遺言書です(民法第969条)。証人2名以上の立会いが必要で、原本は公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配がなく、家庭裁判所の検認も不要です。法律の専門家である公証人が関与するため、方式の不備で無効になるリスクが低いのが特長です。ただし、財産の金額に応じた公証人手数料がかかり、証人2名の手配も必要になります。また、推定相続人や受遺者、その配偶者・直系血族などは証人になることができないため、証人の選定にはあらかじめ注意が必要です。

どちらの方式を選ぶべきか

確実性を重視するなら公正証書遺言、費用を抑えたい場合は法務局保管制度を利用した自筆証書遺言が選択肢になります。あわせて、遺言の内容そのものについても考慮が必要です。特定の相続人にだけ多くの財産を渡す内容にすると、他の相続人の遺留分を侵害してしまうことがあります(民法第1042条)。遺留分を侵害された相続人は、多く財産を受け取った人に対して金銭の支払いを請求できるため、かえって新たな争いの火種になりかねません。将来のトラブルを防ぐためにも、遺留分に配慮した内容にしておくことが望まれます。また、遺言の内容を実際に実現する遺言執行者をあらかじめ指定しておくと、相続手続きがスムーズに進みやすくなります。

よくある質問

Q. 自筆証書遺言と公正証書遺言、費用はどのくらい違いますか?
A. 自筆証書遺言は自分で作成すれば費用はかかりませんが、法務局保管制度を利用する場合は申請手数料3,900円がかかります。公正証書遺言は、財産の金額に応じた公証人手数料がかかるため、一般的に自筆証書遺言より費用は高くなります。

Q. 一度作成した遺言書は書き直せますか?
A. 遺言書は、遺言者が生きている間であれば、何度でも書き直すことができます。内容が複数ある場合は、日付の新しいものが優先されます。

Q. 財産の内容が変わった場合、遺言書も作り直す必要がありますか?
A. 財産の増減があった場合は、内容を最新の状況に合わせて見直すことをおすすめします。特に不動産の売却や新たな金融資産の取得があった場合は、記載内容と実際の財産が食い違わないよう確認が必要です。

竹田司法書士・社労士事務所では、遺言書の内容の整理から、公正証書遺言における証人の手配まで、遺言書作成に関するご相談を承っております。自筆証書遺言・公正証書遺言のどちらが良いか迷われている段階でも構いません。堺市はもちろん、大阪府内で遺言書の作成をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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※本記事は令和8年8月20日時点の法令・制度に基づいて作成しています。その後の法改正等により内容が変更されている場合がありますので、あらかじめご了承ください。最新の内容については、当事務所までお問い合わせください。

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