相続登記の登録免許税、免税措置が令和9年3月まで延長されました

 カテゴリ:相続手続き
監修:竹田司法書士・社労士事務所

相続した土地の名義変更、いわゆる相続登記にかかる登録免許税について、免税措置の適用期限が延長されました。相続登記の義務化により、これから手続きを進める方も多い中、費用面での負担を軽減できる制度です。本記事では、この免税措置の内容と、利用する際の注意点について解説します。

登録免許税の免税措置とは

相続によって土地の名義変更(相続登記)をする際には、通常、法務局に登録免許税を納める必要があります。登録免許税の免税措置は、一定の条件を満たす場合に、この登録免許税を免除する制度です。相続登記そのものが不要になるわけではなく、あくまで登記にかかる税金が免除される制度である点にご注意ください。

なぜこの制度が設けられているのか

相続登記の費用負担が理由となって、名義変更が長年放置されてしまうケースは少なくありません。名義変更がされないまま所有者が分からなくなった土地は、公共事業や売買の妨げになるなど、社会的な課題として認識されてきました。登録免許税の免税措置は、こうした「所有者不明土地」を減らすことを目的として設けられており、これまでも期限付きの制度として、数回にわたり延長が繰り返されてきました。

適用期限が令和9年3月31日まで延長

今回、この免税措置の適用期限が、令和9年(2027年)3月31日まで、2年間延長されました。相続登記は、自己のために相続が開始したことを知り、かつ、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請することが法律上の義務(不動産登記法第七十六条の二第一項)となっており、正当な理由なく期限内に登記をしないと過料の対象になる場合があります。免税措置の延長により、費用面の負担を抑えながら、早めに登記を済ませやすくなります。特に、祖父母の代から名義変更がされないまま放置されてきた土地をお持ちの方にとっては、この機会に整理を進めやすくなるという利点があります。

免税の対象となる条件

免税の対象となる土地には条件があります。代表的なものは、不動産の評価額が100万円以下の土地であることです。この評価額は、実勢価格ではなく固定資産税評価額をもとに判断されるため、市街化調整区域内の小さな土地や、活用が難しい山林などで対象になるケースが多く見られます。ただし、免税の対象となる範囲は複数の類型に分かれており、土地の評価額や相続の経緯によって適用の可否が異なります。すべての土地が対象になるわけではなく、建物は対象に含まれません。ご自身の土地が対象になるかどうかは、専門家による個別の確認をおすすめします。

手続き上の注意点

この免税措置は、自動的に適用されるものではありません。登記を申請する際に、登記申請書へ免税の対象である旨とその根拠となる規定を記載する必要があります。この記載を忘れると、免税を受けられないまま登録免許税を納めることになってしまいますので、注意が必要です。申請書の記載内容に誤りがあると、免税が認められない場合もあるため、手続きに不安がある方は司法書士への依頼をご検討ください。

よくある質問

Q. すべての相続登記が免税になりますか?
A. いいえ。免税の対象となるのは、評価額100万円以下の土地の相続登記など、一定の条件を満たす場合に限られます。建物は対象に含まれません。

Q. 何もしなくても免税は適用されますか?
A. 適用されません。登記申請書に免税の対象である旨を記載する必要があり、記載を忘れると通常どおり登録免許税がかかります。

Q. 期限の令和9年3月31日を過ぎるとどうなりますか?
A. この免税措置の適用期限が過ぎると、原則として通常どおり登録免許税がかかります。今後さらに延長される可能性もありますが、現時点で確定している期限は令和9年3月31日です。

竹田司法書士・社労士事務所では、相続登記の免税措置が利用できるかどうかの確認から、登記申請書の作成・提出まで一貫してサポートしております。「相続した土地の名義変更を先延ばしにしている」「免税措置が使えるか知りたい」という方は、堺市はもちろん、大阪府内で相続手続きにお困りの方はお気軽にご相談ください。

参考:法務局:相続登記の登録免許税の免税措置について

※本記事は令和8年8月31日時点の法令・制度に基づいて作成しています。その後の法改正等により内容が変更されている場合がありますので、あらかじめご了承ください。最新の内容については、当事務所までお問い合わせください。

不動産登記のご相談(抵当権抹消・住所氏名の変更・売買や贈与の名義変更)は、不動産登記のご相談のページをご覧ください。

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