2026.09.06 カテゴリ:相続 監修:竹田司法書士・社労士事務所
相続が発生したあと、相続人同士で遺産の分け方を話し合っても、実家をどうするか、誰がどれだけ受け取るかで意見が対立し、話し合いが行き詰まってしまうことがあります。そうしたときに利用できるのが「遺産分割調停」という家庭裁判所の手続きです。本記事では、遺産分割調停がどのような制度で、どのように進んでいくのかを解説します。
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遺産分割調停とは
遺産分割調停は、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)がまとまらないときに、家庭裁判所で行う話し合いの手続きです。裁判官と調停委員で構成される調停委員会が当事者双方の間に入り、それぞれの相続人から言い分や希望を聞き取りながら、解決に向けた話し合いを進めていきます。いきなり結論を出す訴訟とは異なり、話し合いによる柔軟な解決を目指せる点が特徴です。もっとも、あくまで話し合いの手続きであるため、相続人全員が合意しなければ調停は成立しません。
申立ての方法と管轄
調停の申立ては、相続人の一人または数人が、他の相続人全員を相手方として行います。相続人自身で申立てをすることもでき、必ずしも専門家に依頼しなければならないわけではありません。申立て先は、家事事件手続法245条1項 により、原則として相手方となる相続人のうち一人の住所地を管轄する家庭裁判所です。相続人全員が合意すれば、別の家庭裁判所を選ぶこともできます。申立てにあたっては、被相続人及び相続人全員の戸籍謄本、遺産に関する資料(不動産の登記事項証明書・預貯金の残高証明書等)など、それなりの分量の書類を揃える必要があり、準備には手間と時間がかかる点に注意が必要です。
調停の流れ
調停の期日では、原則として申立人と相手方が別々の待合室で待機し、交互に調停室に呼ばれて調停委員に事情や意見を伝える形で進みます。相手方と直接顔を合わせて交渉する必要はありません。話し合いの中では、不動産をはじめとする遺産の評価額について意見が分かれることも多く、必要に応じて評価(鑑定)が行われることもあります。期日はおおむね1か月に1回程度のペースで開かれ、必要に応じて資料の追加提出が求められることもあるため、合意に至るまでにはある程度の期間がかかるのが通常です。1回の期日で結論が出ないことも多く、複数回の期日を重ねながら少しずつ話し合いを詰めていく手続きだと考えておくとよいでしょう。
調停が不成立に終わったら(審判への移行)
話し合いを重ねても合意に至らない場合、調停は不成立で終了します。ただし、その場合でも、あらためて別の手続きを申し立て直す必要はありません。家事事件手続法272条4項 により、遺産分割の調停事件が不成立で終了した場合には、調停を申し立てた時点で、当該事項についての審判の申立てがあったものとみなされ、追加の手数料等を納めることなく、そのまま審判の手続きに移行します。審判に移ると、当事者同士の話し合いではなく、裁判所が提出された資料をもとに結論(分割方法)を判断することになります。
よくある質問
Q. 調停を申し立てる前に、必ず相続人同士で話し合っておく必要がありますか?
A. 法律上、調停の前に話し合いを尽くしていることが申立ての条件になっているわけではありません。ただし、家庭裁判所の手続きを利用する以上、まずは当事者間で話し合いを試み、それでもまとまらない場合に調停を検討するのが一般的な流れです。
Q. 相手方が調停の期日に出席しない場合はどうなりますか?
A. 相手方が出席しないまま話し合いがまとまらない状態が続けば、調停は不成立となり、審判の手続きに移行します。
Q. 調停には何回くらい出席する必要がありますか?
A. 事案の内容や争いの程度によって異なります。合意ができた時点で調停は成立して終了しますし、合意に至らなければ複数回の期日を重ねたうえで不成立となります。
竹田司法書士・社労士事務所では、遺産分割調停の申立書作成をはじめ、必要な戸籍謄本の収集や遺産目録の作成についてもご相談を承っております。堺市はもちろん、大阪府内で相続に関するご相談をお考えの方は、お気軽にご相談ください。遺産分割調停のご相談のページ へ。
※本記事は令和8年9月6日時点の法令・制度に基づいて作成しています。その後の法改正等により内容が変更されている場合がありますので、あらかじめご了承ください。最新の内容については、当事務所までお問い合わせください。
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