会社の解散・清算の手続き(廃業するとき)(解散の登記・清算結了の登記・社会保険・労働保険)

手続きは4つ。提出する場所は4か所です。

  • 法務局解散・清算人選任の登記と、あとの清算結了の登記(登録免許税は、解散3万円・清算人の選任9千円・清算結了2千円)
  • 年金事務所適用事業所全喪届(事実が起きてから5日以内)と、従業員全員の被保険者資格喪失届
  • ハローワーク雇用保険適用事業所廃止届(廃止した日の翌日から10日以内)と、資格喪失届・離職証明書
  • 労働局など労働保険の確定保険料申告書(事業を廃止した日の翌日から50日以内)

会社をやめるとき(廃業するとき)は、まず株主総会などで会社を解散し、そのあと財産の整理をする清算に入ります。清算が終わると清算結了の登記をして、会社の手続きがすべて終わります。解散しても、清算が終わるまでは会社が残るので、登記のほかに、従業員がいる会社は、社会保険・雇用保険・労働保険の手続きも出てきます。このページでは、どこに、何を、いつまでに提出するかを、窓口ごとにまとめました。登記は司法書士として、社会保険・労働保険は社会保険労務士として、当事務所がまとめて承ります。

解散と清算の流れ

  1. 解散を決めるとき

    株主総会で、会社を解散することと、清算を行う清算人を選ぶことを決めます。この決議を、議事録に残します。

  2. 解散のあと

    法務局に、解散と清算人選任の登記を申請します。登録免許税は、解散が3万円、清算人と代表清算人の選任が9千円です(法務局の記載例)。

  3. 従業員がいるとき

    社会保険は適用事業所全喪届を5日以内に、雇用保険は適用事業所廃止届を10日以内に提出し、従業員全員の資格喪失の手続きもあわせて行います。労働保険料は、事業を廃止した日の翌日から50日以内に精算します。

  4. 清算の事務

    清算人が、会社の財産を整理します。債権者への対応、残っている財産の処分、残った財産(残余財産)の株主への分配などです。なお、清算人の就任から2か月以内に清算が終わることはありません(法務局の記載例の注記)。

  5. 清算が終わったとき

    株主総会で、清算の決算報告書を承認し、法務局に清算結了の登記を申請します。登録免許税は2千円です。

  6. 税務署などへ

    税務署、都道府県、市区町村への届出と、法人税などの申告が必要になります。これは税理士の業務です(下の「税務署などへの届出」をご覧ください)。

会社の登記(法務局・司法書士)

解散・清算人選任の登記

株主総会の決議で解散するときは、株式会社解散及び清算人選任登記申請書を、本店の所在地を管轄する法務局に提出します。登録免許税は、解散が3万円、清算人及び代表清算人の選任が9千円(あわせて3万9千円。清算人が1人の場合の法務局の記載例)です。

くわしく見る

添付する書類は、定款、株主総会議事録、株主リスト(株主の氏名・住所・議決権数などを証明する書面)、就任承諾書です。代理人(司法書士など)に頼むときは委任状も要ります。清算人のなり方(取締役がなる、定款で定める、株主総会で選ぶ、裁判所が選ぶ)によって、必要な書類は変わります。存続期間の満了で解散するときは、解散についての添付書類は要りません。解散日を将来の日にしたいときは、その日を満了日とする存続期間の定款変更とその登記が必要です。

清算結了の登記

清算が終わったときは、株式会社清算結了登記申請書を提出します。登録免許税は2千円です。登記の事由は「清算結了」で、株主総会で決算報告書を承認した日を書きます。

くわしく見る

添付する書類は、決算報告書を含む株主総会議事録と、株主リストです。代理人に頼むときは委任状も要ります。決算報告書には、債権の取立てや資産の処分で得た収入の額、債務の弁済や清算の費用の額、残った財産の額、株主へ分配した額を書きます。清算結了の登記がされると、その会社の登記記録は閉じられます(閉鎖)。あとで履歴を確認するときは、閉鎖事項証明書を取ります。

申請の期間登記には、法律で定められた申請期間があります。事由が生じてから早めにご相談ください。

出典:商業・法人登記の申請書様式(法務局。株式会社の解散、清算結了の様式は、令和8年8月14日・5月14日更新)、解散・清算人選任の記載例、清算結了の記載例。令和8年11月6日に、実際に開いて確認しました。

社会保険・雇用保険・労働保険(社会保険労務士)

社会保険(健康保険・厚生年金保険)

適用事業所全喪届を、事実が起きてから5日以内に、事務センターまたは管轄の年金事務所に提出します。あわせて、被保険者全員分の被保険者資格喪失届を提出します。

くわしく見る

添付する書類は、原則として、解散登記の記載がある法人登記簿謄本のコピー、または雇用保険適用事業所廃止届(事業主控)のコピーのどちらか1点です。どちらも用意できないときは、給与支払事務所等の廃止届のコピーなど、別の書類を提出することがあります。届書に書いた事業所の名称、所在地、全喪の年月日は、日本年金機構のホームページに掲示されます。

雇用保険

雇用保険適用事業所廃止届を、事業所を廃止した日の翌日から10日以内に、管轄のハローワークに提出します。あわせて、雇用保険被保険者資格喪失届と雇用保険被保険者離職証明書も、同時に作って提出します。

くわしく見る

持っていく書類は、登記事項証明書(法人の場合。廃止届に法人番号を書いたときは省略できます)、閉鎖謄本、労働者名簿、出勤簿など、廃止の事実が確認できる書類です。事業は続けているが雇用する被保険者が0人になったとき、事業を休止して再開の見込みがないときも、事業所の廃止届を提出します。

労働保険(労災保険・雇用保険の保険料)

事業を廃止すると保険関係が消えるので、労働保険確定保険料申告書で、保険料を精算します。期限は、事業を廃止した日の翌日から50日以内です。

くわしく見る

提出先は、労働局、労働基準監督署または金融機関です(事業の種類によって、提出できる窓口が分かれます)。添付書類は、各提出先にご確認ください。すでに納めた概算の保険料のほうが、確定した保険料より多いときは、労働保険料還付請求書を提出して、差額の返金を受けます。

従業員の健康保険・年金会社の社会保険がなくなると、従業員は、国民健康保険や家族の健康保険への切替え、国民年金への切替えが必要になります。切替えの手続きは、従業員ご本人が、お住まいの市区町村などで行います。

出典:適用事業所が廃止等により適用事業所に該当しなくなったときの手続き(日本年金機構。令和7年3月28日更新)、雇用保険適用事業所廃止届(ハローワークインターネットサービス)、厚生労働省:雇用保険の事業主の手続き一覧、都道府県労働局の案内(徳島労働局:事業を廃止・休止したとき、愛知労働局:適用事業所についての諸手続き。どちらも、更新日の表示はありません)。令和8年11月6日に、実際に開いて確認しました。

様式のダウンロード先

公的機関の、様式のページです(令和8年11月6日に、実際に開いて確認しました)。ファイルの場所は、ときどき変わりますので、ページから入手してください。

  • 株式会社の解散・清算人選任・清算結了の登記申請書:様式のページを開く(法務局。Word・PDF・記載例)
  • 健康保険・厚生年金保険 適用事業所全喪届:様式のページを開く(日本年金機構。PDF・Excel・記入例)
  • 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届:様式のページを開く(日本年金機構。PDF・Excel・記入例)
  • 雇用保険適用事業所廃止届:様式のページを開く(ハローワークインターネットサービス)
  • 雇用保険被保険者資格喪失届:様式のページを開く(ハローワークインターネットサービス)
  • 雇用保険被保険者離職証明書:ダウンロードできません(複写式の用紙)。ハローワークの窓口で受け取るか、郵送で請求します(管轄のハローワーク(堺市))。
  • 労働保険確定保険料申告書:管轄の労働局・労働基準監督署の窓口でお受け取りください(このページでは、様式の公式ページを確認できていません)。

税務署などへの届出と、弁護士に相談する場合

税務署などへの届出:会社を閉じるときは、税務署、都道府県、市区町村への届出や、法人税などの申告が必要になります。いつ、何を提出するか、税額がいくらになるかは、会社ごとに異なります。個別の判断は税理士の業務ですので、税理士にご相談ください。登記の書類と、社会保険・労働保険の手続きは、当事務所で承ります。

弁護士に相談する場合:会社の負債が財産を上回っているときや、債権者との間で争いがあるときは、通常の清算ではなく、破産や特別清算などの手続きになることがあります。債権者との交渉や、裁判所の手続きの代理は、弁護士の業務です。そのようなときは、弁護士をご案内します。

当事務所にできること

司法書士として、解散・清算人選任の登記、清算結了の登記の申請と、その添付書類(議事録、株主リスト、就任承諾書、委任状、決算報告書など)の作成を承ります。官報公告の手続き、債権者への個別の催告書の作成も、お手伝いします。社会保険労務士として、適用事業所全喪届、雇用保険適用事業所廃止届、従業員の資格喪失の手続き、労働保険料の精算の手続きを、代行します。登記だけ、社会保険・労働保険の手続きだけのご依頼も、承ります。

料金(税抜)

項目料金
解散登記+清算人就任登記4万円~
清算結了登記2万円~
官報公告手続の代行+1万円
清算人2名目以降1名につき +5,000円
債権者への個別催告書作成+1万円~
複雑な清算手続個別見積り

登録免許税などの実費は、別にかかります。社会保険・雇用保険・労働保険の手続きの料金は、従業員の人数や状況によって異なりますので、お見積りします。手続きの内容・金額・期限は、令和8年11月時点の公式の案内に基づいています。制度は改正されることがありますので、届出の前に、法務局・年金事務所・ハローワーク・労働局の最新の案内でご確認ください。

料金表もご覧ください。

よくある質問

会社を閉じる(廃業する)には、どんな手続きが必要ですか。

株主総会で解散と清算人を決め、法務局に解散・清算人選任の登記を提出します。清算が終わったら、清算結了の登記を提出します。従業員がいるときは、社会保険の適用事業所全喪届(5日以内)、雇用保険の事業所廃止届(10日以内)、労働保険料の精算(50日以内)も必要です。税務署などへの届出は、税理士にご相談ください。

「解散」と「清算」は、どう違いますか。

解散は、会社が事業をやめて、清算に入ることです。清算は、会社の財産を整理して、債権者へ弁済し、残った財産を株主に分けることです。解散しても、清算が終わるまでは会社が残ります。清算が終わったら、清算結了の登記をします。

解散や清算結了の登記の登録免許税は、いくらですか。

法務局の記載例では、解散の登記が3万円、清算人及び代表清算人の選任の登記が9千円、清算結了の登記が2千円です。収入印紙などで納めます。

従業員がいるときの、社会保険・雇用保険の手続きを教えてください。

社会保険は、適用事業所全喪届を、事実が起きてから5日以内に提出し、被保険者全員の資格喪失届も提出します。雇用保険は、事業所を廃止した日の翌日から10日以内に、適用事業所廃止届を提出し、資格喪失届と離職証明書も同時に提出します。

労働保険料の精算は、いつまでにしますか。

事業を廃止した日の翌日から50日以内に、労働保険確定保険料申告書を提出して、精算します。すでに納めた概算の保険料のほうが多いときは、労働保険料還付請求書で差額の返金を受けます。

解散してから清算が終わるまで、どのくらいかかりますか。

清算人の就任から2か月以内に、清算が終わることはありません(法務局の記載例の注記)。実際の期間は、財産の整理や債権者への対応の状況によって変わります。

会社に借金が残っています。それでも解散・清算ができますか。

負債が財産を上回っているときは、通常の清算ではなく、破産や特別清算などの手続きになることがあります。債権者との交渉や裁判所の手続きの代理は、弁護士の業務ですので、弁護士をご案内します。

メールで相談 電話で相談 LINEで相談