労災保険の請求手続き(業務災害・通勤災害、会社の報告)

労災の手続きは、働く方の「請求」と、会社の「報告」です。

  • 休業したとき休業4日目から、給付基礎日額の80%(休業(補償)等給付60%+休業特別支給金20%)が支給されます。
  • 請求の時効休業は、休んだ日ごとに、その翌日から2年です。障害・遺族は5年です。
  • 会社の報告労働者死傷病報告は、電子申請が原則です。休業4日以上は遅滞なく、休業4日未満は四半期ごとに報告します。

仕事中のけが・病気(業務災害)や、通勤中のけが・病気(通勤災害)のときは、労災保険から、治療、休業中の生活、障害や死亡に備えた給付を受けられます。給付は、働く方ご本人(または遺族)が、請求書を提出して受けます。会社には、請求書の記入への協力のほか、労働基準監督署への労働者死傷病報告が出てきます。このページでは、ご自分で手続きを進められるように、給付の種類、様式の番号、請求の時効、会社の報告をまとめました。書類づくりが難しいときや、時間が取れないときは、社会保険労務士として当事務所が代行します。

手続きの流れ

  1. けが・病気が起きたら

    仕事中(業務災害)か、通勤中(通勤災害)かで、使う様式が分かれます。まず、必要な治療を受けます。

  2. 治療を受けるとき

    ①労災指定の医療機関で受けるとき
    (療養の給付。治療を現物で受けられます)
    ②指定外の医療機関で受けたとき
    (支払った費用を、療養の費用として請求します)

  3. 仕事を休むとき

    休業の1日目から3日目までは待機期間で、労災保険の休業給付は、4日目から支給されます。4日目以降も休むときは、休業(補償)給付を請求します。

  4. 会社が行う報告

    労働災害で労働者が死亡または休業したときは、会社が労働者死傷病報告を、労働基準監督署に提出します(通勤災害や、休業しない災害は、報告の対象ではありません)。

  5. 障害が残ったとき、亡くなったとき

    障害(補償)給付、遺族(補償)給付、葬祭料(葬祭給付)を請求します。請求の時効が長い給付もありますが、早めに準備します。

①給付の種類と請求書の様式(業務災害/通勤災害)

療養の給付業務災害:第5号/通勤災害:第16号の3。労災指定の医療機関で、治療を現物で受けられます。指定外の医療機関で受けたときは、費用を請求できます。
療養の費用業務災害:第7号(1)/通勤災害:第16号の5(1)。指定外の医療機関で支払った費用の請求です。
休業給付業務災害:第8号/通勤災害:第16号の6。仕事を休み、賃金を受けないときの給付です。
障害給付業務災害:第10号/通勤災害:第16号の7。治療を受けても、法令で定める障害が残ったときの給付で、程度に応じて、年金または一時金が支給されます。
遺族年金業務災害:第12号/通勤災害:第16号の8。労働者が亡くなったときに、遺族に支給されます。
遺族一時金業務災害:第15号/通勤災害:第16号の9。
葬祭料(葬祭給付)業務災害:第16号/通勤災害:第16号の10。葬祭を行う方に支給されます。
二次健康診断等給付第16号の10の2。脳・心臓疾患に関連する異常が見つかった場合の、二次健康診断の給付です。

このほか、1年6か月たっても治らないときに、傷病等級に当たれば支給される傷病(補償)年金(請求ではなく、監督署長の職権で移行します)や、介護を受けているときの介護(補償)給付があります。出典:厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係主要様式)」、静岡労働局「労災保険給付の種類とあらまし」。

請求書の記載方法は、管轄の労働基準監督署か、労災保険相談ダイヤル(0570-006031。土日祝日を除く9時〜17時)にお尋ねください(上の様式のページの案内によります)。

②休業したときの給付(休業(補償)等給付)

支給額

休業1日につき、給付基礎日額の80%です。

くわしく見る

内訳は、休業(補償)等給付が60%、休業特別支給金が20%です。1円未満の端数は切り捨てです。

いつから休業の4日目からです。休業の1日目から3日目は待機期間で、労災保険の休業給付の対象になりません。
待機期間の3日間業務災害の場合は、事業主が、労働基準法に基づく休業補償を行うことになっています。
一部だけ働いた日所定労働時間の一部だけ働いた日は、その日の給付基礎日額から、実際に働いて支払われた賃金を差し引いた額の80%(60%+20%)が支給されます。
請求書休業補償給付支給請求書(業務災害:第8号)、休業給付支給請求書(通勤災害:第16号の6)です。

出典:厚生労働省「労災保険に関するQ&A 3-5 休業(補償)等給付の計算方法」、静岡労働局「労災保険給付の種類とあらまし」。

③請求の時効(過ぎると請求できません)

療養(補償)等給付療養の費用を支出した日ごとに請求権が生じ、その翌日から2年です。
休業(補償)等給付賃金を受けない日ごとに請求権が生じ、その翌日から2年です。
障害(補償)等給付傷病が治った日の翌日から5年です。
遺族(補償)等年金・一時金被災した労働者が亡くなった日の翌日から5年です。
葬祭料等(葬祭給付)被災した労働者が亡くなった日の翌日から2年です。
介護(補償)等給付介護を受けた月の翌月の1日から2年です。
二次健康診断等給付一次健康診断を受けた日から3か月以内です。

傷病(補償)等年金は、監督署長の職権で移行するため、請求の時効はありません。出典:厚生労働省「労災保険に関するQ&A 7-5」。

④会社の報告(労働者死傷病報告)

対象労働災害で、労働者が死亡したとき、または休業したときです。休業の見込みが4日以上(死亡を含む)のものと、休業4日未満のものとで、様式が分かれています。休業しない災害、通勤災害は、報告の対象ではありません。
提出する時期

休業4日以上・死亡は、遅滞なく報告します。

休業4日未満の場合

1〜3月、4〜6月、7〜9月、10〜12月の各期間に起きた災害を、その期間の最後の月の翌月末日までに報告します。

方法令和7年1月1日から、電子申請が義務になりました。厚生労働省の「帳票入力支援サービス」を使って、作成・提出します。パソコンがないなど、電子申請が難しい事情があるときは、当分の間、書面でも報告できます(書面は、事業場を管轄する労働基準監督署に提出します)。
様式令和7年1月1日以降の災害では、これまでの様式第23号・第24号は使えません。新しい様式を使います。

出典:秋田労働局「『労働者死傷病報告』の電子申請が義務化されました」(令和8年11月7日に開いて確認しました。ページに更新日の記載はありません)。

様式のダウンロード先

公的機関の、様式のページです(令和8年11月7日に、実際に開いて確認しました)。ファイルの場所は、ときどき変わりますので、ページから入手してください。

難しいときは、当事務所へ(社会保険労務士)

労災保険の給付の請求書類の作成と提出、会社の労働者死傷病報告の作成と電子申請を、社会保険労務士として代行します。ご事情を伺って、どの給付を、いつまでに請求するかを、整理してお渡しします。

労災保険の給付とは別に、会社に責任を問うご相談(損害賠償など)は、弁護士の業務の範囲ですので、弁護士をご案内します。

料金(税抜)

項目料金
労災保険の給付の請求書類の作成・提出
(療養・休業・障害・遺族など)
お見積り
労働者死傷病報告の作成・電子申請お見積り

給付の種類、請求の件数、会社の人数などで変わりますので、ご事情を伺って、お見積りします(初回相談は無料です)。郵送代などの実費は別にかかります。手続きの内容・期限は、令和8年11月時点の公式の案内に基づいています。制度は改正されることがありますので、手続きの前に、労働基準監督署の最新の案内でご確認ください。

よくある質問

労災で仕事を休むと、いくらもらえますか。

休業の4日目から、休業1日につき、給付基礎日額の80%(休業(補償)等給付60%+休業特別支給金20%)が支給されます。休業の1日目から3日目は待機期間で、労災保険の対象になりません。

最初の3日間は、何ももらえないのですか。

休業の1日目から3日目は、労災保険の休業給付の対象になりません。仕事中のけが・病気(業務災害)の場合は、事業主が、労働基準法に基づく休業補償を行うことになっています。

労災の請求には、期限がありますか。

あります。休業は、休んだ日ごとに、その翌日から2年です。障害は、傷病が治った日の翌日から5年、遺族の年金・一時金は、亡くなった日の翌日から5年です。葬祭料は、亡くなった日の翌日から2年です。

労働者死傷病報告は、いつまでに出しますか。

休業4日以上・死亡のときは、遅滞なく報告します。休業4日未満のときは、1〜3月、4〜6月、7〜9月、10〜12月の各期間に起きた災害を、その期間の最後の月の翌月末日までに報告します。令和7年1月から、電子申請が義務になっています。

通勤中のけがでも、労災保険を使えますか。

通勤災害として、労災保険の給付を請求できます。請求書の様式は、仕事中の災害とは別の番号です(例:休業給付は第16号の6)。会社の労働者死傷病報告は、通勤災害では必要ありません。

会社に責任を問いたいときは、相談できますか。

会社に損害賠償を求めるなど、会社との争いになるご相談は、弁護士の業務の範囲ですので、弁護士をご案内します。労災保険の給付の請求書類づくりは、当事務所でお手伝いします。

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