敷金が返ってこない・家賃を払ってもらえないときの請求と明渡しの手続き(堺市の司法書士が督促状から簡易裁判所まで)

敷金も家賃も、手紙から裁判所まで、段階を踏んで進めます。

  • 借りた側通常の使い方による傷みは、借主が負担しないのが原則です(民法第621条)。話し合いで進まなければ、督促状→内容証明郵便→裁判所の手続きの順に進めます。
  • 貸した側内容証明郵便→契約の解除→建物明渡しの訴え→強制執行の順です。自分で追い出すことは、原則として許されません(必ず裁判所の手続きによります)
  • 代理できる範囲請求額が140万円以下の事件は、簡易裁判所で代理人として手続きできます。明渡しの訴えは、訴額が140万円以下に収まるかを、最初に確認します。
  • 時効権利を行使できると知った時から5年、行使できる時から10年が基本です(民法第166条第1項)。督促状だけでは、時効は止まりません。

借りた側は、退去したのに敷金が返ってこないことがあります。貸した側は、家賃が払われない、借主が出ていってくれないことがあります。どちらも、手紙での請求から裁判所の手続きまで、段階を踏んで進めます。当事務所は、請求額が140万円以下の事件なら、簡易裁判所で代理人として手続きできます。裁判で勝っても相手に財産がなければ回収できないことがあります。そのため、回収の見込みも含めて、最初にしっかりご相談いただけます。

こんなときにご相談ください

借りた側:

  • ・退去したのに敷金が返ってこない
  • ・敷金から引かれた原状回復の費用が高すぎる
  • ・連絡しても返事がない

貸した側:

  • ・家賃を何か月も払ってもらえない
  • ・借主が出ていってくれない
  • ・連帯保証人にも請求したい

(貸したお金・売掛金・未払いの代金は
「貸したお金・未払い金の請求」のページへ。
未払いの給料・残業代は
別のページへ)

敷金が返ってこないとき(借りた側)

  1. まず、契約書で敷金の返し方と、原状回復の決まりを確認します。
  2. 引かれた金額の内訳を、書面で示してもらいます。
  3. 通常の使い方による傷み(日焼け、家具の跡、年月による傷み)は、借主が負担しないのが原則です(民法第621条、国土交通省のガイドライン)。借主の責任で壊した部分の修繕費は、引かれることがあります。
  4. 話し合いで進まなければ、督促状→内容証明郵便→裁判所の手続き(少額訴訟、支払督促、通常の訴訟、民事調停)の順に進めます。手続きの違いは「貸したお金・未払い金の請求」のページと同じです。

家賃を払ってもらえない・出ていってもらえないとき(貸した側)

  1. 督促状で、滞納している家賃の支払いを求めます(連帯保証人がいれば、保証人にも)。
  2. 内容証明郵便で、期限を決めて支払いを求め、払われなければ契約を解除する旨を知らせます。
  3. 払われず、契約が解除されたあとも借主が居座るときは、建物の明渡しと、滞納した家賃の支払いを求めて、簡易裁判所に訴えを起こします。
  4. 判決が出ても出ていかないときは、強制執行(建物明渡し)の申立てをします。
  • 勝手に鍵を替える、荷物を運び出すといった「自分で追い出す」ことは、原則として許されず、損害賠償を求められるおそれがあります。必ず裁判所の手続きによります。
  • 何か月滞納したら契約を解除できるかは、一律には言えません。滞納の期間や回数、これまでの経緯をふまえて、信頼関係が壊れているかで判断されます。

司法書士にできること・できないこと

  • できること(認定司法書士):請求額(訴訟の目的の価額)が140万円以下の事件の、簡易裁判所での訴訟代理、支払督促・民事調停の代理、訴えを起こす前の和解、裁判の外での示談交渉(司法書士法第3条第1項第6号・第7号)。
  • 建物の明渡しを求める訴えの訴額は、建物の価格の2分の1などで数える運用があり、固定資産税の評価額をもとに計算するのが一般的です(最高裁判所民事局長通知)。この金額が140万円以下に収まるかを、最初に確認します。
  • 滞納家賃を一緒に請求するときの訴額の数え方は、事案ごとに確認します。
  • 請求額が140万円を超える事件:代理人にはなれません。ご本人が裁判所に出る形で、訴状などの書類の作成をお手伝いします(同法第3条第1項第4号)。
  • 控訴審(地方裁判所):代理人になれません。例外として、当事務所が代理人として関わった事件の判決に限り、上訴の提起は代理できます(同法第3条第1項第6号ただし書)。
  • 建物明渡しの強制執行:代理はできず、申立書の作成をお手伝いします(同法第3条第1項第4号。少額訴訟債権執行だけは代理できます)。
  • 代理人が必要な場合は、弁護士のご案内もできます。

時効に注意

敷金を返してもらう権利や、滞納された家賃を請求する権利は、年月がたつと時効で消えることがあります。権利を行使できると知った時から5年、行使できる時から10年が基本です(民法第166条第1項)。令和2年4月1日より前に生じた債権には、改正前の民法が適用されます。督促状を送るだけでは時効は止まりません。期限が近いと感じたら、早めにご相談ください。

ご相談から請求までの流れ

以下は一般的な流れです。事案によって異なります。

STEP1ご相談

契約の内容、退去・滞納の経緯、金額をうかがいます。

STEP2請求額・時効・手続きの確認

資料で、請求額、時効、使える手続きを確認します。

STEP3ご依頼(委任契約)

委任契約を結びます。

STEP4督促状または内容証明郵便の発送

手紙で支払いなどを求めます。

STEP5裁判所の手続き

払われなければ、裁判所の手続きに進みます。

STEP6支払い・明渡しの確認

判決・和解のあとの支払い・明渡しを確認します。必要なら強制執行の書類を作成します。

用意していただくもの

一般的には、次のものをご用意いただくことが多いです。賃貸借契約書/敷金を払った記録/退去時の立会いの書類や、引かれた費用の内訳/部屋の写真(入居時・退去時)/家賃の支払いの記録/やりとりの記録(メール、LINE、手紙)/相手の氏名・住所・連絡先(連帯保証人を含む)/本人確認書類。実際に必要なものは、お一人おひとりのご事情によって異なります。ご相談のときに、こちらからお伝えします。相手の住所が分からない場合は、現地調査と報告書の作成をお手伝いできます(4万円)。

料金(税抜)

  • 督促状(特定記録郵便):着手金2万円(相手方1名・1社)、2名・2社以上は1名・1社増えるごとに+2万円。報酬は回収額の10%。
  • 内容証明郵便:着手金3万円(相手方1名・1社)、2名・2社以上は1名・1社増えるごとに+2万円。報酬は回収額の10%。
  • 簡易裁判所における訴訟代理等(訴額140万円以下):着手金3万円、報酬は回収額または経済的利益の10%。
  • 公示送達のための現地調査・報告書作成:4万円。
  • 建物明渡し強制執行申立書作成:着手金7万円。
  • 金銭債権の強制執行申立書作成:着手金5万円。財産開示手続申立書作成5万円。第三者からの情報取得手続申立書作成4万円。
  • 少額訴訟債権執行の代理:着手金5万円、報酬は回収額の4%。
  • 民事保全(仮差押え・仮処分):着手金9万円。

裁判所に納める印紙・郵便切手、書類の取得費用、明渡しの強制執行にかかる費用などの実費は別にかかります。詳しくは料金表をご覧ください。

よくある質問

敷金は全額返ってきますか。

必ず全額とは言えません。未払いの家賃や、借主の責任で生じた修繕費は差し引かれることがあります。通常の使い方による傷みは、借主が負担しないのが原則です。ご不安な点は、お気軽にご相談ください。

引かれた原状回復の費用が高すぎると思います。

内訳の書面をもとに、契約書とあわせて確認いたします。話し合いで進まなければ、督促状・内容証明郵便・裁判所の手続きへ進めます。まずはご相談ください。

家賃を何か月滞納されたら、出ていってもらえますか。

一律には言えません。滞納の期間、回数、これまでの経緯をふまえて判断されます。ご事情をお聞かせください。

自分で鍵を替えたり、荷物を出してはいけませんか。

原則として許されません。必ず裁判所の手続きによりますので、まずはご相談ください。

連帯保証人にも請求できますか。

契約書に連帯保証人の定めがあれば、保証人にも請求できる場合があります。契約書を拝見して確認いたします。

請求額が140万円を超えるときは頼めませんか。

代理人にはなれませんが、訴状などの書類の作成はお手伝いできます。代理人が必要なときは、弁護士をご案内できます。まずはお気軽にご相談ください。

明渡しの強制執行も頼めますか。

申立書の作成をお手伝いします(着手金7万円)。強制執行そのものの代理は、弁護士にご相談ください。お気軽にご相談ください。

時効が心配です。

このページの「時効に注意」をご覧ください。督促状だけでは時効は止まりません。お早めにご相談ください。

費用はいくらですか。

費用は、このページの「料金」にまとめています。ご不明な点は、どうぞお気軽にお尋ねください。

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