堺市の遺産分割協議書の作成(書くこと・署名押印・未成年者がいるとき)

遺産分割協議書は、相続人全員で決めた遺産の分け方を、書面にしたものです。

  • 全員の合意遺産分割は、法律で決められた相続人が全員参加して、財産の分け方を決める手続です。
  • 署名と押印不動産の相続登記では、協議書に相続人全員が実印を押し、印鑑証明書を添付します。金融機関も、全員の署名捺印を印鑑証明書で確かめます。
  • 未成年者親権者と未成年の子がともに相続人のときは、家庭裁判所で特別代理人を選任してもらいます。
  • 判断能力判断能力が十分でない相続人がいるときは、家庭裁判所の成年後見制度(後見・保佐・補助)を利用する方法があります。
  • 費用遺産分割協議書の作成は3万円~(相続人3名まで・税抜)。人数や財産、分け方によって加算があります。

遺産分割協議書は、相続人の皆さまが話し合って決めた、遺産の分け方を書いた書面です。不動産の相続登記や、預貯金の解約・払戻しで、提出を求められます。書き方によっては、金融機関から、あらためて相続人全員の同意を確認されることもあります。このページでは、遺産分割協議書に書くこと、署名押印と印鑑証明書、未成年者や判断能力に不安のある相続人がいるときの考え方を、法務省・法務局・裁判所・国税庁・全国銀行協会の案内に基づいてまとめました。当事務所は、堺市堺区で、遺産分割協議書の作成を司法書士として承ります。

遺産分割協議書とは

遺産分割とは、法律で決められた相続人が全員参加して、相続財産の分け方を決める手続です(法務省)。遺言書がない場合は、相続人全員で遺産の分割について協議(話合い)をし、協議が成立したときは、その内容を遺産分割協議書にまとめます(国税庁)。遺言書がある場合は、遺言書の内容によります。

遺産分割協議書は、不動産の相続登記や、預貯金の解約・払戻しの手続きで、提出を求められる書類です。相続人の間で話合いがまとまらないときは、家庭裁判所の遺産分割調停という方法があります。

遺産分割調停のご相談のページへ。

出典:不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~(法務省。令和8年4月10日付)、No.4202 相続税の申告のために必要な準備(国税庁。令和8年4月1日現在法令等)。令和8年11月7日に、実際に開いて確認しました。

遺産分割協議書に書くこと

遺産分割協議書の書き方は、法務局が、不動産を相続人の一人が単独で相続する場合の記載例を示しています。この記載例には、次のことが書かれています。

  • 題名(遺産分割協議書)
  • 被相続人(亡くなった方)の氏名と、亡くなった日。その死亡によって開始した相続の共同相続人が、遺産分割の協議を行った、という書き出し
  • 共同相続人全員の氏名
  • 協議の結果(どの財産を、誰が取得するか。記載例は、不動産を相続人の一人が単独で相続する内容)
  • 協議書を何通作り、各自が1通ずつ保管するか(記載例は、3通作って各自1通を保管)
  • 協議書を作った日(年月日)
  • 相続人全員の住所・氏名の署名と、押印(実印)
  • 不動産の表示(登記事項証明書に記載されているとおりに書きます。土地は所在・地番・地目・地積、建物は所在・家屋番号・種類・構造・床面積)

法務局の記載例にも「協議の結果に応じて作成してください」とあるとおり、財産の種類や分け方によって、書く内容は変わります。なお、法務局では、遺産の分け方や、遺産分割協議書の作成についてのお問合せ・ご相談には応じていません(専門家や法律相談窓口に相談します)。

出典:登記手続ハンドブック(相続登記①/遺産分割協議編)(法務省民事局。令和8年4月版。「遺産分割協議書のイメージ」と、各項目の説明)。令和8年11月7日に、実際に開いて確認しました。

預貯金の書き方に気をつけること:預貯金を遺産分割協議書に書くときは、金融機関が内容を判断できるように書く必要があります。全国銀行協会は、次のような書き方だと、遺産分割協議書があっても、改めて相続人全員の同意・承諾を確認することがある、と案内しています。

預金が分割の対象か分からない「不動産は甲が、動産は乙が取得する」とだけ書かれている場合。預金は「債権」であって、不動産でも動産でもないため、遺産分割の対象とされているのか判断できません。
書かれていない預金がある銀行名・支店名・口座番号などで預金を具体的に特定した場合に、協議書に書かれていない被相続人名義の預金があるとき。その預金は遺産分割の対象にならず、法定相続となるか、改めて遺産分割協議を行うかのどちらかになります。
預金の承継に条件が付いている「甲の乙に対する代償金○円の支払を条件として、甲が全ての預金を承継する」など。銀行では、条件が成就したかどうかを確認できず、文言どおりに承継されるのか判断できません。
預金残高が変わっているある時点(例:相続開始時)の残高をもとに、承継する金額を具体的に書いたが、協議が成立するまでに残高が変わっていた場合。過不足が協議の成否や内容にどう影響するか、判断できません。

出典:遺産分割協議書の記載に係る留意点(全国銀行協会)。令和8年11月7日に、実際に開いて確認しました。

預貯金・有価証券などの解約・名義変更のページへ。

署名押印と印鑑証明書、相続人全員の合意

相続人全員の合意遺産分割は、法律で決められた相続人が全員参加して決める手続です(法務省)。国税庁も、相続人全員で協議をし、成立したら協議書を作成する、と案内しています。全員参加が前提のため、連絡の取れない相続人がいるときなどは、進め方をご相談ください。
不動産の相続登記で使うとき遺産分割協議書には、相続人全員が、印鑑証明書と同じ印(実印)を押し、その印鑑証明書を各1通添付します(登記を申請する相続人の分は除きます)。この印鑑証明書には、作成後3か月以内といった制約はありません。
金融機関の手続きで使うとき遺産分割協議書には、相続人全員が署名をしたうえで、実印を押します。金融機関は、協議が成立したことを確認するため、相続人全員の印鑑証明書で、協議書上の署名捺印を照合します。確認できないときは、改めてその相続人の同意・承諾を確認することがあります。

登記と金融機関とで、求められる書類や取扱いが異なることがあります。提出先ごとに、確認してから進めます。

出典:不動産を相続した方へ(法務省。令和8年4月10日付)、登記手続ハンドブック(相続登記①/遺産分割協議編)(令和8年4月版)、遺産分割協議書(全国銀行協会)、No.4202(国税庁)。令和8年11月7日に、実際に開いて確認しました。

相続人に未成年者や、判断能力に不安のある方がいるとき

相続人に未成年者がいるとき:親権者である父または母が、その子との間でお互いに利益が相反する行為をするには、子のために特別代理人を選任することを、家庭裁判所に請求しなければなりません。たとえば、父が亡くなり、共同相続人である母と未成年の子が行う遺産分割協議が、これに当たります。同じ親権に服する子の間で利益が相反する場合も、同様です。国税庁も、相続人のなかに未成年者がいる場合は、その未成年者について家庭裁判所で特別代理人の選任を受けなければならない場合があり、特別代理人が、その未成年者に代わって遺産分割協議を行う、と案内しています。

  • 申立人:親権者、利害関係人
  • 申立先:子の住所地の家庭裁判所
  • 費用:収入印紙800円分(子1人につき)と、連絡用の郵便切手
  • 主な書類:申立書、未成年者の戸籍謄本、親権者(または未成年後見人)の戸籍謄本、特別代理人候補者の住民票または戸籍附票、利益相反に関する資料(遺産分割協議書案など)

出典:特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合)(裁判所)、No.4202(国税庁)。令和8年11月7日に、実際に開いて確認しました。

判断能力に不安のある相続人がいるとき:家庭裁判所は、精神上の障害(認知症、知的障害、精神障害など)によって判断能力が欠けているのが通常の状態の方について後見開始の審判を、判断能力が著しく不十分な方について保佐開始の審判を、判断能力が不十分な方について補助開始の審判を、することができます。後見開始の審判では、家庭裁判所が成年後見人を選び、成年後見人は、本人の財産に関するすべての法律行為を、本人に代わって行うことができます。どの類型にあたるかは、ご本人の状況をもとに、家庭裁判所が判断します。

  • 申立先:本人の住所地の家庭裁判所
  • 申立てができる人(後見開始の場合):本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、市区町村長など
  • 費用(後見開始の場合):申立手数料として収入印紙800円分、登記手数料として収入印紙2,600円分、連絡用の郵便切手。本人の精神の状況について鑑定をする場合があり、申立人が、その費用を負担することがあります。

成年後見人・保佐人・補助人が、本人と同じ相続の相続人になるときは、家庭裁判所に、特別代理人(保佐人・補助人の場合は、臨時保佐人・臨時補助人)の選任を申し立てることが必要になる場合があります(さいたま家庭裁判所の案内。裁判所によって案内の内容が異なることがあります)。制度は改正されることがありますので、申立ての前に、家庭裁判所の最新の案内をご確認ください。

出典:後見開始・保佐開始・補助開始(裁判所)、特別代理人選任の申立てについて(さいたま家庭裁判所)。令和8年11月7日に、実際に開いて確認しました。

当事務所は、特別代理人の選任や、後見等の開始の申立てに必要な書類の作成を承ります。家庭裁判所の手続きでは、司法書士が代理人になることはできませんので、申立ては、申立人ご本人が行います。

成年後見のご案内へ。

ご自分で進める場合と、当事務所にできること

ご自分で進める場合:法務局が示している遺産分割協議書の記載例と、このページの注意点を参考に、ご自分で作成できます。不動産の相続登記に使う場合は、登記の様式や記載例を載せている法務局のホームページもご覧ください。書き方に迷うとき、相続人の人数や財産が多いときは、ご相談ください。

当事務所にできること:司法書士として、遺産分割協議書の作成を承ります。戸籍等で相続人を確認し、財産(不動産・預貯金・株式など)の内容を整理したうえで、相続人の皆さまが決めた内容を、登記や金融機関の手続きで使える形の書面にします。署名押印の進め方もご案内します。続けて、相続登記や預貯金の解約のご依頼もできます。

相続人の間で、遺産の分け方について意見が分かれているときに、弁護士をご案内します。そのようなときは、弁護士をご案内します。遺産分割調停は、申立書類の作成をお手伝いします(調停の席に代理人として出ることはできません)。相続税の申告が必要かどうか、税額がいくらかといった個別の判断は、税理士の業務です。当事務所は税理士ではありませんので、個別の判断はできません。税理士をご案内します。

料金(税抜)

遺産分割協議書作成

内容報酬
基本報酬(相続人3名まで)3万円~
相続人4名目以降1名につき +1万円
不動産・預貯金等を含む全財産型で内容が多い場合下表のとおり
代償分割を含む場合+2万円~
換価分割を含む場合+2万円~
数次相続・代襲相続等で内容が複雑な場合+3万円~
特に複雑な案件個別見積り

記載財産数による加算(全財産型の場合)

遺産分割協議書に記載する財産数加算報酬
5項目まで基本報酬に含む
6~10項目+1万円
11~20項目+2万円
21項目以上+3万円~または個別見積り

戸籍・除籍・改製原戸籍、住民票・戸籍の附票等の代理取得は、1通につき2,000円+消費税を申し受けます。登録免許税・戸籍謄本の取得費用・郵送費などの実費は、別にかかります。特別代理人の選任の申立書類など、表にない項目は、個別にお見積りします。手続きの内容・金額・期限は、令和8年11月時点の公式の案内に基づいています。制度は改正されることがありますので、手続きの前に、最新の案内でご確認ください。

相続の料金表もご覧ください。

よくある質問

遺産分割協議書は、作らないといけませんか。

不動産の相続登記では、遺産分割協議書に相続人全員が実印を押し、印鑑証明書を添付することが、法務局の案内に示されています。預貯金の解約でも、金融機関から協議書を求められることがあります(全国銀行協会の案内)。話合いの結果は、書面に残しておくことをおすすめします。

相続人のうち一人でも反対したら、どうなりますか。

遺産分割は、法律で決められた相続人が全員参加して決める手続です。全員の合意に至らないときは、家庭裁判所の遺産分割調停という方法があります。当事務所では、調停の申立書類の作成をお手伝いします。意見が対立しているときは、弁護士をご案内します。

印鑑証明書に、有効期限はありますか。

不動産の相続登記で提出する遺産分割協議書に添付する印鑑証明書には、作成後3か月以内といった制約はありません(法務局の案内)。金融機関の手続きでは、取扱いが異なることがありますので、提出先に確認してから取得することをおすすめします。

相続人に未成年の子がいます。協議書はどうなりますか。

親権者と未成年の子が、ともに相続人になるときは、子のために特別代理人を選任することを、家庭裁判所に請求しなければなりません。特別代理人が、未成年の子に代わって遺産分割協議に参加します。申立ては、子の住所地の家庭裁判所に行います。申立書類の作成は、当事務所でも承ります。

相続人に、認知症の方がいます。どうすればよいですか。

判断能力が十分でない相続人がいるときは、家庭裁判所の成年後見制度(後見・保佐・補助)を利用する方法があります。後見開始の審判では、家庭裁判所が成年後見人を選び、成年後見人が本人の財産に関する法律行為を本人に代わって行います。どの類型にあたるかは、家庭裁判所が判断します。申立書類の作成は、当事務所でも承りますので、まずはご相談ください。

預貯金は、協議書にどう書けばよいですか。

金融機関が内容を判断できるように、書き方に気をつけます。たとえば、不動産と動産の取得者だけを書いて預金に触れていない場合や、協議書に書かれていない預金がある場合、預金の承継に条件を付けた場合などは、金融機関から、改めて相続人全員の同意を確認されることがあります(全国銀行協会の案内)。財産の内容に合わせて、書き方をご相談ください。

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