産休・育休の手続きと給付金(会社が行う申請・必要書類・期限)

手続きは3つ。提出する場所は3か所です。

  • 年金事務所社会保険料の免除の届出(産前産後休業取得者申出書・育児休業等取得者申出書)
  • 協会けんぽ出産手当金の申請(時効は、休んだ日ごとに、その翌日から2年)
  • ハローワーク育児休業給付金の申請(初回は、育児休業の開始日から4か月を経過する日の属する月の末日まで)

従業員が妊娠・出産し、産前産後休業・育児休業に入るとき、会社には、社会保険料の免除の届出や、給付金の申請の手続きが出てきます。休業中の従業員は、社会保険料の免除、健康保険からの出産手当金、雇用保険からの育児休業給付金などを受けられる場合があります。このページでは、会社のご担当者がご自分で手続きを進められるように、どの手続きを、どこに、いつまでに提出するのか、必要な書類は何かを、順番にまとめました。書類づくりが難しいときや、時間が取れないときは、社会保険労務士として当事務所が代行します。

手続きの全体像(時系列)

  1. 妊娠の報告を受けたら

    産前産後休業・育児休業の取得予定を聞き取り、就業規則(育児・介護休業規程)を確認します。

  2. 産前産後休業に入るとき

    ①産前産後休業取得者申出書
    (社会保険料の免除。年金事務所)
    ②出産手当金の申請
    (健康保険。協会けんぽの支部など)

  3. 育児休業に入るとき

    ①育児休業等取得者申出書
    (社会保険料の免除。年金事務所)
    ②育児休業給付金などの申請
    (雇用保険。ハローワーク)

  4. 休業が終わって復帰するとき

    ①育児休業等終了時報酬月額変更届
    (復帰後の賃金に合わせて社会保険料を改める。年金事務所)
    ②必要に応じて養育期間標準報酬月額特例申出書
    (年金額が下がらないようにする特例)

出産育児一時金は、本人が加入する健康保険に申請するもので、会社が主に行う手続きではありません(協会けんぽ:出産育児一時金)。
健康保険の給付(傷病手当金・出産育児一時金・高額療養費)のページへ。

①社会保険料の免除(年金事務所)

産前産後休業中

健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書を、会社が、事務センターまたは管轄の年金事務所に提出します。本人負担分・会社負担分の、両方の保険料が免除されます。

くわしく見る

給与の有無は問いません。添付書類はありません。出産の日が予定日と違ったとき、予定より早く復帰したときは、同じ様式の「変更(終了)届」を提出します。

育児休業中

健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書を、会社が、事務センターまたは管轄の年金事務所に提出します。提出する時期は、育児休業の期間中、または終了後に、終了日から数えて1か月以内の間です(育児休業の開始日より前に提出すると、返戻されます)。

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1か月を過ぎて提出するときは、理由書と、休業していることが分かる書類(出勤簿、賃金台帳など)が必要です。延長するときも、その都度、提出します。

免除される期間(育児休業)

休業を始めた月から、終了日の翌日が属する月の前月までです。

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開始月に14日以上休業した場合は、同じ月に終了するときも免除されます(令和4年10月から)。免除される期間は、将来の年金額の計算では、保険料を納めた期間として扱われます。

出典:日本年金機構(産前産後休業の免除の手続き、育児休業の免除の手続き、育児休業等の免除の概要)。様式と記入例:産前産後休業取得者申出書の様式、育児休業等取得者申出書の様式。

②出産手当金(健康保険)(協会けんぽの場合)

受け取れる人健康保険の被保険者本人です(扶養されている家族は対象外)。出産のために会社を休み、給与が支払われなかった期間が対象です。
期間出産の日(出産が予定日より遅れたときは予定日)以前42日(双子以上は98日)から、出産の翌日以後56日目までです。
金額1日あたり、支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 3分の2です。給与が出た日は、その日額が手当金の日額より少なければ、差額が支給されます。
申請書健康保険出産手当金支給申請書。本人、医師または助産師、事業主の三者が記入します。事業主の証明は、分けて申請するときも、申請のたびに必要です。医師・助産師の証明は、1回目の申請で出産日が確認できれば、2回目以降は省けます。
提出先・期限加入している協会けんぽの支部へ、郵送します。電子申請もできます。時効は、出産のため仕事を休んだ日ごとに、その翌日から2年です。

会社が健康保険組合に加入している場合は、組合の案内に従ってください。出典:協会けんぽ「出産手当金について」、協会けんぽ「出産手当金の申請書」。

③育児休業給付金など(雇用保険)(ハローワーク)

出生時育児休業給付金(産後パパ育休)子の出生後8週間以内に、4週間(28日)を上限に、2回まで取れる休業の給付です。支給額は、休業開始時賃金日額 × 休業日数 × 67%です。会社が、ハローワークに申請します。
育児休業給付金1歳(延長で1歳6か月・2歳)までの子を育てるための休業の給付です。支給額は、休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%(休業開始から181日目以降は50%)です。申請は原則2か月に1度です。
出生後休業支援給付金(令和7年4月から)出生時育児休業給付金・育児休業給付金に、13%が上乗せされます(合計80%)。夫婦ともに14日以上の育児休業を取るなど、一定の条件があります。
金額の上限休業開始時賃金日額の上限は16,540円、下限は3,203円です(令和9年7月31日までの額。毎年8月1日に改定されます)。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(令和8年8月1日改訂版)、厚生労働省「Q&A 育児休業等給付」。

育児休業給付金:ご自分で進める手順

STEP1休業前に、書類を集める

育児休業申出書、母子健康手帳(出生届出済証明のページと、分娩予定日が書かれたページ)の写し、住民票、賃金台帳・出勤簿を用意します。

STEP2初回の申請をする(会社→ハローワーク)

「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書」と「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」を提出します。期限は、育児休業の開始日から4か月を経過する日の属する月の末日までです(例:開始日が7月10日なら、11月30日まで)。

STEP32回目以降は、指定された時期に申請する

ハローワークが交付する「育児休業給付次回支給申請日指定通知書」に書かれた期間内に、「育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書」を提出します。原則として、2か月に1度です。

STEP41歳を超えて延長するとき

延長の理由を示す書類(保育所に入れないことを示す書類など)を添えます。

産後パパ育休(出生時育児休業給付金)は、子の出生日から8週間を経過する日の翌日(休業が28日に達したときは、その翌日)から申請でき、期限は、その日から2か月を経過する日の属する月の末日までです。

復帰したあとの手続き(年金事務所)

育児休業等終了時報酬月額変更届育児休業が終わって、復帰後の賃金が下がったときに、社会保険料を改める届出です。会社が、速やかに、年金事務所に提出します。次の条件を満たす場合に、3か月の平均報酬から、4か月目の標準報酬月額を改めます。
・これまでの標準報酬月額と、改定後の標準報酬月額が、1等級以上違うこと
・終了日の翌日が属する月以後3か月のうち、支払基礎日数が17日以上の月が1か月以上あること
産前産後休業終了時報酬月額変更届産前産後休業が終わったときの、同じ趣旨の届出です。産前産後休業の終了日の翌日に、育児休業を始めるときは、提出できません。
養育期間標準報酬月額特例申出書3歳未満の子を育てている間に、賃金が下がって標準報酬月額が下がっても、将来の年金額の計算では、下がる前の標準報酬月額があったものとして扱う特例です。添付書類は、戸籍謄本(事業主が続柄を確認した場合などは省けます)と、住民票の写しです。申出の月の前月から2年前までしか、さかのぼれないため、早めに提出します。

出典:日本年金機構「育児休業等終了時報酬月額変更届の提出」。

必要書類のチェックリスト

  • 産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届(添付書類なし)
  • 育児休業等取得者申出書(期限内なら添付書類なし)
  • 健康保険出産手当金支給申請書(事業主の証明欄を記入。必要に応じて、健康保険加入状況等申告書)
  • 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書、雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 添付:賃金台帳、出勤簿(タイムカード)、育児休業申出書、育児休業取扱通知書、母子健康手帳の写し、住民票、振込先の確認資料(通帳の写しなど)
  • 育児休業等終了時報酬月額変更届、養育期間標準報酬月額特例申出書(戸籍謄本・住民票の写し)

各手続きの様式は、日本年金機構・協会けんぽ・ハローワークのホームページで入手できます。リンクは、このページの下の「様式のダウンロード先」にまとめています。

様式のダウンロード先

公的機関の、様式のページです(令和8年11月6日に、実際に開いて確認しました)。ファイルの場所は、ときどき変わりますので、ページから入手してください。

難しいときは、当事務所へ(社会保険労務士)

産前産後休業・育児休業の保険料免除の申出、出産手当金の申請、育児休業給付金などの申請、復帰後の報酬月額変更届、養育期間の特例の申出を、社会保険労務士として代行します。従業員ごとに、休業の予定を伺い、必要な手続きの時期と書類を、一覧にしてお渡しします。育児休業の規定を、就業規則に整える場合は就業規則のページをご覧ください。

料金(税抜)

項目料金
産前産後休業取得者申出書
(保険料の免除)/変更(終了)届
1件につき 1万円
育児休業等取得者申出書
(保険料の免除。新規・延長)
1回につき 1万円
出産手当金の申請3万円
育児休業給付金の初回申請
(受給資格確認票・休業開始時賃金月額証明書・初回支給申請書)
3万円
育児休業給付金の2回目以降の申請1回につき 1万円
出生時育児休業給付金(産後パパ育休)の申請2万円
出生後休業支援給付金の申請
(単独で申請するとき)
1万円
育児休業等終了時報酬月額変更届
(復帰後の報酬月額の変更)
1万円
養育期間標準報酬月額特例申出書1万円

手続きの内容・金額・期限は、令和8年11月時点の公式の案内に基づいています。制度は改正されることがありますので、届出の前に、年金事務所・協会けんぽ・ハローワークの最新の案内でご確認ください。郵送代などの実費は別にかかります。

よくある質問

産休・育休中の社会保険料は、払わなくてよいですか。

会社が、年金事務所に申出書を提出すると、産前産後休業中・育児休業中の健康保険料・厚生年金保険料は、本人負担分・会社負担分とも免除されます。申出書を提出しないと、免除は始まりません。育児休業の申出書は、期間中、または終了後1か月以内に提出します。

出産手当金は、会社が申請するのですか。

申請書は、本人・医師または助産師・事業主の三者が記入します。事業主は、記入欄で、休んだ期間や賃金の支払いの有無を証明します。提出先は、加入している協会けんぽの支部などです。

育児休業給付金の申請は、いつまでにしますか。

初回は、育児休業の開始日から4か月を経過する日の属する月の末日までです。2回目以降は、ハローワークが指定する時期に、原則2か月に1度です。

育休中の社会保険料免除の条件は、何ですか。

3歳未満の子を育てるための育児休業(産後パパ育休を含む)を取る被保険者が対象で、会社が申出書を年金事務所に提出します。休業を始めた月から、終了日の翌日が属する月の前月までが免除されます。開始月に14日以上休業した場合は、同じ月に終了するときも免除されます。事業主や役員、同居の親族のみに使用される人など、育児・介護休業法の「労働者」でない人は、申出できません。

出産手当金は、いくらもらえますか。

1日あたり、支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 3分の2です。期間は、出産の日以前42日(双子以上は98日)から、出産の翌日以後56日目までの、会社を休み給与の支払いがなかった期間です。

男性が育児休業を取るときも、同じ手続きですか。

はい、育児休業の社会保険料の免除、育児休業給付金の手続きは、男性も同じです。産後パパ育休(出生時育児休業)は、子の出生後8週間以内に、4週間を上限に、2回まで取れます。

パートや契約社員でも、育児休業給付金は受けられますか。

雇用保険の被保険者で、休業を始める前の2年間に、賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月が12か月以上あるなどの条件を満たせば、受けられます。契約期間の定めがある場合は、別の条件もあります。

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